2025年4月14日
桜は紅を帯びた花びらを残し、静かに葉桜へと姿を変えました。
その傍らで、山吹の花が「今こそ私の番!」とばかりに、陽ざしを跳ね返すように山吹色に輝いています。
足元では、まだ小さなチューリップの芽が、土のぬくもりを感じながらそっと顔を出しました。
散った桜の花びらが大地をやさしく包み、春の続きをそっと見守っているかのようです。
ツツジもその順番を待ちながら、春風の気配に、そっと耳を澄ませているよう。
── 幼い頃、小さな桜の実をひとつだけ見つけたことがありました。
今でもこの季節になると、ふとその時の風景が心に蘇ります。
春は、色もかたちも移ろいながら、確かに次の景色へと歩んでいます。